pro3 花のやうに愁いにみちた人のこころに、 花のをとめをうたひては香をそなえ、 時間の水底のやわらかな、 夢誘う帽にいろどられ、 町にきらきらした上等のドレス、 白い花や梅雨あがりの君を想ふ。 灌木類。 糸の切れた凧。 その輪郭鋭かりし。 やま越ゆ、ゆき越ゆ。 曇りのないかゞやき、 いつまでもつゞくひかり、 染め出した、 つぎからつぎへと咒文のちからそのまゝに、 おだやかな繁栄、清潔な礼拝、 きのうゆき過ぐ、天體の燃ゆる、 されど尚も雨だれ、樹液、チェホフの墓、 牧草地を甘やかに強くむんと濡らせば、 君を慕ふ。 夢ぬの たえなる 花 夢ぬの たえなる 詩 ソレデモ、」 ヲ 仔細 シテ ソレデモ、」 ヲ 世俗 シテ (打消/接続/打消/接続) ウチケシ シテ セツゾク シテ 花もをはり、日がのぼる。 あゝキリギリスはかの重荷を、 わけても鮮明に、病者の赫亦たる眼に、 地球の自転のペースをあわせ、 さめざめ、ざんざめ、 雨と泣きぬ。 「君はいつも泣いてばかりいるようだ。」 ―――撃ち落とされた光・・ 花のような美しさと、 脆さ、 そのまゝに凋んで―― 野ぐちにおきゐて寸刻みにとろけた鉛のやうな、 ぬ 心に寝る。 目を覚ましたばかりの君、 花をとめ、あはれやぬばたま比喩のやうに、 剥がれおちはじめる、君を恋ふ。 いたずら少女のやうな、 手を、 差し伸べた――い・・ あゝ 永久なる 君 ぬばたま あゝ 永久なる 君 ぬばたま (光のシンバル、眩惑のエネルギイ!) あどけのない笑みして、地上をのぞきおろし、 ちかちかと瞬く星々は充血した魚の眼のやうに、 なん世紀ものあいだ動いてゐる時計の振り子、 あやもわかぬ須臾に咲きゐ。 「吾が 雨の情に はなをとめ 昂となれ たまなれ君」 (非もなく是もなし、まみづの彌澄み渡るごと―― 花そのこゑはなめらかな砂のうへをはしる・・) 天ふる きよらの はな 天ふる きよらの うた …… 夢ぬの たえなる 花 夢ぬの たえなる 詩 ソレデモ、」 ヲ 仔細 シテ ソレデモ、」 ヲ 世俗 シテ (打消/接続/打消/接続) ウチケシ シテ セツゾク シテ ジャンル別一覧
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